「動け動け動け、動け動け動け!」
はっ!!
すみません、取り乱していました。
どうも、エムです。
本日は「新世紀エヴァンゲリオン」を題材に、物理教師がへりくつをこねます面白くお送りいたします。
生物は専門じゃないのでたくさん調べましたが、正確性は保証できません。

エヴァンゲリオンはA10神経に接続して動かせるのか?
エヴァンゲリオンの操縦は、パイロットのA10神経をリンク(シンクロ)させることで、操縦ができると公式で説明されています。
ここが最大の謎。
ということ。
私なりの持論を申し上げると、どっちかっていうと否。
専門外だったので(生物は弱いです)、A10神経って何? ってところから調べました。
A10神経で生成されるドーパミンが、行動には必要なのは確かにあっている
A10神経とは(簡単にいうと)感情や気持ちに直結する脳の神経系で、この神経が刺激されるとドーパミンが出ます。
ドーパミンとは、様々な活動の根源となるものです。
- 嬉しい! → 次もやろう!
- 危ない! → 逃げよう!
みたいな感じですね。
ちなみに、アニメの世界ではたびたび架空の設定が登場します。
- 進撃の巨人に登場する、金属のような振る舞いをする竹(黒金竹)。
- HUNTER×HUNTERに登場する、接触交配。
どちらも、ありそうでなさそうなものです。
しかしこのA10神経というのは、実際に脳の神経系として存在しています。

たしかに、行動するにはA10神経から放出されるドーパミンが必要だと思うんですよ。
パーキンソン病(体が震えたり運動ができなくなる症状)は、ドーパミンの不足と関係があるって聞くし。
それでも、A10神経のシンクロだけでエヴァを動かしていないんじゃないのかなぁ〜って考えます。
コックピットには操縦桿があるし、ドーパミンだけでは心筋細胞を動かせない

エヴァンゲリオンのコックピット(エントリープラグ)には、明らかに操縦桿があります。
本当にA10神経のシンクロのみでエヴァンゲリオンが動くなら、操縦桿は不要のはずです。
エヴァンゲリオンのパイロットが搭乗する際、インターフェイス(頭につける三角耳みたいなやつ)を付けていますよね?
そしてプラグスーツを着て、エントリープラグに乗り込みます。
インターフェイスやプラグスーツは共にシンクロ率を高めているアイテム、すなわちA10神経のリンクだけを高めているようなアイテムだと推察します。
エントリープラグ全体がA10神経系の働きをするかのように工夫しているってことですよね。
パイロットが感じた感情が刺激になって、エヴァンゲリオンに対してドーパミンを出しているってことになります。
でもドーパミンはあくまで動機付けの役割。
実際にエヴァンゲリオンの四肢を動かしているのは、別の脳器官(に相当する場所)のはずです。
暴走モードはドーパミンの出過ぎで引き起こされている?
調べていくうちに、こんな疑問が湧いてきました。
という疑問。

ドーパミンは、多すぎると幻覚や統合失調症のような症状を引き起こしたり、不必要と分かっていながら同じ行動を反復する強迫神経症になったりすると言われています。
文字通り、エヴァンゲリオンの暴走モードとは暴走している状態。
制御が利かない状態になったエヴァンゲリオンはほぼ間違いなく、ドーパミンが多く出すぎている状態だと考えられます。
A10神経の接続でエヴァンゲリオンが動くかどうかの考察
- 操縦桿があること。
- パイロット+エントリープラグ全体で、A10神経として(脳のいち機能としてだけ)振る舞っていること。
- ドーパミンの増減だけに、関係していること。
以上より、私は
と考えます。
LCL(液体)で溺れずに呼吸できるの?

エヴァンゲリオンを操作するために乗り込むエントリープラグ内は、液体で満たされています。
そんなLCLのような液体で空間を満たしたら、当然こんな疑問が出てきます。
やっぱり水の中を想像して「溺れちゃうのでは?」って思いますからね。
これに対する私の答えはこちら。
詳しく掘り下げてみましょう。
そもそもLCLって何?

LCLとは新世紀エヴァンゲリオンで登場する、架空の液体(?)です。
正式な名称は定かでは無いようですが、ウィキペディアにはこうあります。
正式名称は Link Connected Liquid と解説されていたが、後に劇場版パンフレットにおいて、フィルムブックの監修に関与していなかったGAINAXにより公式に否定された。
しかし、新世紀エヴァンゲリオン絵コンテ集では、L.C.L.について「リンク コネクト リクウィッドの略」という記述がある。引用 ウィキペディア「新世紀エヴァンゲリオンの用語一覧」
簡単にいうと、エヴァンゲリオンとパイロットをリンクするために必要な液体ってことでしょうね。
医療現場では、実際に液体呼吸が使われている?
通常、我々ヒトは気体から酸素を供給し、肺で呼吸をしています。
しかしLCLのような液体から酸素を供給することができれば、理論上は呼吸ができると考えられています。
実は動物実験や一部の医療現場では、実際に行われているんだとか。
Дмитрий Рогозин представил сербскому президенту инновационный проект: жидкость, в которой можно дышать.
В качестве подопытного животного выступила такса. pic.twitter.com/4bjJ4bqMjJ
— Антон Беляков (@abeliakov) 2017年12月21日
動物実験の映像はかなり心が痛みますが、医療用での活用は期待されているようです。
多くの酸素を溶け込ませた液体(パーフルオロカーボンと呼ばれる化合物)を肺に注入し、直接酸素を供給するという代物。
ちなみにパーフルオロカーボンとは、水の20倍ほど酸素を含みやすく、ヘモグロビン(血液中の酸素・二酸化炭素の運搬をしている組織)よりも数倍の二酸化炭素を運ぶことが出来ると言われています。
この原理と似たようなものがLCLだとしたら、LCL中(液体中)に十分な酸素量が溶け込んでいれば、それを肺に満たして呼吸することは可能でしょうね。
ただし、そんな液体で満たされた空間にモニター画面を映し出すことは可能かわかりません・・・。
LCLのような液体で空間内を満たすと、思わぬ利点がある?
LCLは何もシンクロ率を高めるためや呼吸をしやすくするためだけにとどまりません。
というのも、エントリープラグ(コックピット)内を液体で満たすことで、ものすごく快適にエヴァンゲリオンを操作できます。

エヴァンゲリオンの全長は40m。
それにも関わらず、エヴァンゲリオンは音速(時速1,250km)を超えて動きます。
本記事ではいつもの物理教師がアニメを語るシリーズとは趣向を変えて、特定のアニメを掘り下げるのではなく特定の現象にまつわるアニメを特集していこうと思います。 題材は、マッハ。すなわち音速です。[…]
そんな、大きくて速い物体(ロボットと言わないのはミソ)の中に搭乗するわけですから、衝撃は半端ないハズです。
戦闘シーンなんて、衝撃・衝突の連続ですからね。
しかし、操縦席が液体で満たされているおかげで
- 外部の運動エネルギーが、効率よく液体の内部エネルギー(温度上昇)に変わる。
(運動エネルギーは減=衝撃が抑えられる。) - 気体に比べて圧縮性が小さくなるので、圧力変化・温度変化が抑えられる。
(コックピット内の環境が一定に保たれやすい。) - 液体の方が気体よりも密度が大きいので、縦波(音など)の伝達速度が速くなる。
(情報をいち早くキャッチ)
こんな利点が考えられます。
エヴァンゲリオンの疑問の解答まとめ
本日の内容(エヴァンゲリオンにまつわる謎の解説)をまとめます。
- A10神経とシンクロしただけでは、エヴァンゲリオンは動かない可能性の方が高い。
- LCLは効率よく酸素を供給するためだけじゃ無く、いろいろな利点がある可能性が高い。
どれもへりくつ面白い内容ばかりでしたね。