人気漫画、ワンピース。
執筆時点で、4億5000万部発行されている。
世界中で愛されている漫画と言ってもいいでしょう。
そんなワンピースの世界で有名なものと言えば、悪魔の実。
あなたも一度は


なんて、疑問に思ったことありませんか?
この記事では、 元物理教師の私が、
していきます。
第1回目は、麦わらの一味編です。
麦わらの一味の悪魔の実、物理教師の立場で能力解説
2019年7月現在、麦わらの一味で悪魔の実を食べているキャラクターは以下の通り。
キャラクター名 | 悪魔の実の名称 | 能力 |
---|---|---|
ルフィー | ゴムゴムの実 | 全身がゴムになる力 |
ロビン | ハナハナの実 | 手足など身体のパーツを、どこにでも出現させられる力 |
チョッパー | ヒトヒトの実 | 食べた者に人の力を与える。人型・獣型・人獣型の3種に変形できる。 |
ブルック | ヨミヨミの実 | 一度だけ、死んだ後に蘇る力 |
これら悪魔の実の能力が物理学や科学的にはどのような力と考えられるか、考えていきましょう。
なお、完全に私の個人的かつ偏見的な意見です。
情報の正確性は担保していませんし、異論は認めます。
一つのエンタメとして楽しんでいただければ、幸いです。
ゴムゴムの実は、弾性力
物理学では、ゴムが伸び縮みする力を弾性力と言います。
中学校や高校では、ゴムよりもバネで習っているんじゃないかな?
それです。
ワンピースのルフィーはゴムゴムの実を食べたことによって、通常の人間と比べて弾性力をより多く発揮できるようになったと考えられます。
ハナハナの実は、諸説考えられるが細胞分裂による増殖が近い?
実は一番苦労したのが、ハナハナの実の能力。
様々な力、様々な科学現象が成立してそうだなぁ、と感じました。
- 3Dプリンター
- 花粉
- 万能細胞
- 静電気力、または磁力
- ワームホール
だが、どれもパッとしない。
頭を悩ませた理由は
- 物理的に離れた位置に
- 痛覚や視覚を有した状態で
- 自分と同じ物質の構成のものを定着させる
この可能性は、何かあるのだろうかと。
んで、私なりにたどり着いた一つの答えが、分身。
もう少し踏み込むと、細胞分裂による増殖なのかなぁって。
痛覚や視覚を共有するメカニズムはわかりませんが、双子のシンクロとかマジックとかでも感覚の共感はあるから、意外と感覚部分の共有はいけるのかもしれません。
そうであれば、ひとまず感覚(痛覚や視覚)は置いといて。
自分の体の一部(または全身)を複製して出現させる、このことだけを中心に考えると
- 自分の一部を直接飛ばして(切り離して)
- 急速な細胞分裂を繰り返して
- 複製する
この方法が適していると思います。
突き詰めていくと、プラナリアの再生と同じ原理なのではないかなぁ? と推察した次第です。

細切れにされた無数の個体それぞれで再生してしまうほどの、プラナリアの再生能力。
プラナリアなら再生速度も生物界の中では早い方(だったはず)なので、もってこいです。
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ヒトヒトの実は、いわゆるハイブリッド種を作る能力
ヒトヒトの実は、人間が食べても何も起きないと言います。
一般的な動物と私たちヒトとの違いは、遺伝子情報(DNA情報)で決まっていると言っても過言ではないでしょう。
よって、ヒトヒトの実は人間の力を与えると説明されていますが、物理的な何かしらの力(フォース)を分け与えるというよりも、遺伝子に作用してヒトの遺伝子を組み込む(新種を生み出している)可能性が高いと考察します。
実際、世の中には様々なハイブリット種がいます。
例えばトラとライオンのライガー。
【ライガー】
父がライオンで母がトラの動物。
非常に大きい体をしており大抵の場合、両親であるライオンやトラよりも大きい体に成長する。pic.twitter.com/AUV8PWojrk— 世界のネコ科図鑑 (@cat_zukan) January 1, 2017
原理としては、これと同じかと。
ヨミヨミの実は、魂が生物化している?
はじめに断っておきます…と言う名の、保険です。
ヨミヨミの実はその能力の性質上、一番非科学的。
なので、物理解説(科学的な解釈)が難しいです。
ヨミヨミの実の最大の特徴は、一度死んでも蘇るという点。
作中の言葉を借りれば
私の魂は黄泉の国より現世に舞い戻ったのです!!
すぐに自分の死体に入れば甦れるはずが、私の死んだこの海はご覧のように霧が深く迷ってしまい
とあるので、魂(作中ではテャマスィー)が擬人化または生物化できる能力っぽい印象。

一度死んで(いるように見えて)復活するってのは、例えばクマムシなどにみられる乾眠という現象があります。
詳しくはこちらで解説しています。
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がしかし、肉体が朽ちた状態では乾眠から復活できません。
クマムシも、仮死状態(乾眠)の時に体を物理的に潰されると、復活できなくなりますからね。
ブルックが白骨化したのちに復活したところを考えると、ヨミヨミの実の能力は魂そのものが擬人化する、または生物化するのどちらかじゃ無いかな。
魂自体が生物になったので、入れ物である肉体の状態はなんでもいいんですよね。
どちらかと言うとブルックは、エヴァンゲリオンの綾波レイと近い考え方なのかもしれません。
物理教師から見た、悪魔の実やキャラクターの疑問
ではここから、「物理的(科学的に)に大丈夫かな?」と勝手に心配してしまう内容について触れていきます。
誰かに引っ張ってもらわないと伸びないのでは?
ルフィの力は弾性力。
弾性力は外力(外からの力)と釣り合うようにはたらきます。
大事なのは、外力が必要と言うこと。
受動的とも言えるのですが、外力がなければ弾性力は発揮できないはずです。
誰かに引っ張ってもらう(or押してもらう)ってことをしてもらわないと、力が発揮できないルフィ。
「俺は助けてもらわないといけない」と言うセリフは、ここにも活きてきますね。

ベラミーも(実は)めっちゃ強いんじゃ?
弾性力の力を使う以上、バネバネの実の能力者「ベラミー」と戦闘能力は変わりません。
ただ残念なことに、ベラミーは志が低かったことと、目標にする人を間違えちゃっただけなんです。
物理学の観点から言うと、ゴムゴムの実とバネバネの実にさほど優劣はないので
- ベラミーも海賊王を目指すに足る能力
- ルフィは仲間に恵まれすぎている
と言う可能性がありますね。
弾性限界を超えると、元に戻らないのでは?
木や船に伸ばした腕をぐるぐる巻き付けたり、推定10m以上腕を伸ばしたりしているルフィ。

物理屋としては
と心配になります。
自動車のタイヤや輪ゴムなどにも使われる天然ゴムを想像してもらうとわかりやすいかもしれませんが、元々の長さの5〜10倍ほども伸びれば十分です。
それ以上はちぎれたり、伸びきった状態で元に戻らなくなります。
ルフィの身長は(執筆時点で)174cm。
腕の長さは長くとも75cmほどでしょう。
ということは、どれだけ長くても7.5mほどまでしか伸びないはずです。
それ以上伸ばしてしまった腕は、弾性限界を超えて元には戻らないかもしれません。
ルフィのもっとも効果的なパンチは、伸ばして真横で殴るスタイル
弾性力は、常に元に戻ろうとする向きにはたらく力です。
伸びたら伸びた分だけ、自分の元に返ってこようとする力が増すだけ。
よってゴムゴムの銃やゴムゴムの銃乱打なんかは、大して強い攻撃になりません。
ルフィーの筋力を考えた場合、普通に殴るのが強い。

弾性限界が無限に近いほどの(ありえないほど強い)ゴムの性能を活かすならば、ギリギリまで伸ばした腕を元の長さになる位置で殴るスタイルが一番でしょう。
伸ばされたことによって蓄えられた弾性エネルギーが、(理論上)全て運動エネルギーに変換される位置、それが自然長の瞬間。
私が覚えている中では、「ワポル様がごぶっ飛びあそばれた」場面のルフィの攻撃が一番強いハズです。


伸ばした腕を、元の長さになった瞬間で殴る。
これから、このように殴るシーンを見たら

と思っていただいて、いいのかもしれません
ロビンは不老不死
ハナハナの実がロビンの肉片(細胞の一部)を飛ばして増殖させると仮定した場合。
- 時空を超えている
(瞬時に遥か遠くへ飛ばしている) - 体重が減っていく
(自身の一部を切り離していく) - 付着された場所が痩せこける
(成長するための栄養素を周辺から摂取)
などの問題点があると思いますが、個人的に
と思うのが、こちら。
それは
ということ。

何をもって死ぬと定義するかは議論されるでしょうが、ハナハナの実の能力を使って半永久的に生きながらえることは可能かもしれません。
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チョッパーは、子どもを作れない?
いわゆるハイブリッド種は人工的に作られているためか、生殖機能がなかったり1世代で終えることが多いようです。
同様のことは人間とトナカイとのハイブリットであるチョッパーにも言えるはずなので、非常に残念なことですがチョッパーに子どもは期待できないかもしれません。
魂自体が生物化したブルックも、不老不死
ブルックといえば、骸骨なのに
- 目がないのに見られる
- 266cmから277cmに身長が伸びている
- 会話が成立している
など、どれもが科学の常識から逸脱したものばかり。
魂が生物化するというのは(自分で言っておきながら)よくわかりませんが、人間は
- 肉体
- 精神
- 魂
の3つで構成されていると考えられるようですね。
肉体によらず精神と魂で生きていられるブルックは、ロビンと同様に不老不死なのかもしれません。
魂が定着できない状態になってしまうと死ぬ、ってことなのかな。
骨が無事なら大丈夫みたいに(ブルック自身も)言ってますから、骨自身が砕かれたり無くなったりしない限り、生き続けられるのかもしれません。
麦わらの一味編、悪魔の実解説のまとめ
世界中で愛されている漫画、ワンピース。
新キャラクターや話の展開も気になりますが、今回は「登場している悪魔の実の能力が、実際にあったらどんな感じか?」というのを意識して、できる限り元物理教師として思うところを書いてみました。
能力者のロビンは考古学者ですが、自身の能力を活かせば生物学や再生医療なんかにでも応用ができるんじゃないかな?
この記事が、ワンピースを楽しむ一助になれば幸いです。